【完全解説】ヨーロッパへプレゼントを関税をかけずに送ろう〜日本郵便編【2021年7月EU法改正対応版!】
こんにちは。ふらごがくです。
みなさんは海外の、特にヨーロッパに住む家族や友達のためにプレゼントを送ったことはありますか?
海外の方に向けてモノを送る上で気になるのが関税ですよね。
贈ったプレゼントが相手国の税関で課税されると、そのプレゼントを受け取る人が関税を払わなければならなくなります。
せっかくのプレゼントが相手の負担になると悲しいですよね。
そこでこの記事では、ヨーロッパへプレゼントを関税がかからないように送るコツを解説します! ↓↓↓
※2022年3月9日、ウクライナーロシア戦争のため、ヨーロッパ宛てのEMSと航空便の新規発送ができなくなってしました(船便は可能です)。なので当面はEMSが送れませんが、ロシアがウクライナでの戦闘を今すぐにやめて、また世界中でハッピーなやりとりができる日を願って解説していきます↓↓↓
それでは行きましょう!
- どうしてプレゼントに関税がかかるの?
- コツ①:45ユーロ以下におさめよう
- コツ②:ギフトだとはっきり書こう
- コツ③:「Facture proforma」を添えよう
- コツ④:荷物の内容は正直に・詳しく申告しよう
- 結論:それでも関税がかかったら受取人にごめんねをしよう
ここでは、欧州のなかでも、ふらごがくが荷物を送ったことがあるフランスを例にとって解説します。
どうしてプレゼントに関税がかかるの?
そもそも、なぜ買い物ではないプレゼントにまで関税がかかるのでしょうか?
原則としてモノのやりとりにはすべて関税がかかる
実は、原則として、国と国の間でやりとりされるすべての物品に関税が課されます。
しかし、特例として、ある条件を満たした個人間のプレゼントは課税されないようになっているんです。
関税がかかるのが珍しいんじゃなくて、かからないほうが例外なんですね。
総額45ユーロ以下のプレゼントには税金がかからない
では、どんなプレゼントが免税されるのか?
これは国によって違います。
日本とヨーロッパの間では、基本的に総額が45ユーロ以下のプレゼントは免税されることになっています。
プレゼントを国際便で送るときには、内容品は何なのか、それぞれいくらなのかをもれなく申告する必要がありますが、このときの申告書の総額の欄に45ユーロ以下の金額を書けば免税されるわけですね。
逆に言えば、免税の条件から外れてしまったプレゼントは容赦なく課税されます。
プレゼントに課税された関税と消費税は受取人が払う
日本から送ったプレゼントが課税された場合、ヨーロッパでそのプレゼントを受け取る人がお金を払わなければなりません。
しかも、もし課税されてしまうと払わなければならなくなるのは関税(droit de douane)だけではないんです。
ヨーロッパでは、プレゼントのようなものには付加価値税(TVA)という税金がかかってきます。日本の消費税のようなものですね。
付加価値税の税率は、なんと15パーセント以上!
さらに、荷物の金額によっては通関手数料(frais de transport)がかかってきます。
関税や付加価値税、通関手数料は、荷物が配達されるときに受取人に請求されるそうです。
サプライズプレゼントを送ったら相手がお金を払わなければなんてことになったら、受け取る人も送った人も悲しいですよね。
そこで課税されずにプレゼントを贈る方法が大事になってきます。
2021年7月EU法改正はプレゼントには関係ありません!
ところで、「EU法が改正され、2021年7月1日から日本とEUの間でのすべてのプレゼントに関税がかかるようになった」と一部で言われています。
結論から言うと、プレゼントのやりとりに2021年7月のEU法改正は関係ありません。
確かに、2021年7月1日からEUの通関のルールが変わりまして、これまではEUの外から商品を個人輸入しても22ユーロ以下なら免税だったんですが、これからは付加価値税が課されるようになりました。
これはあくまでも商品を輸入するときの話であり、総額45ユーロ以下のプレゼントはこれまで通り関税も付加価値税も免除されます。
「なのに日本からのプレゼントが課税されてしまった……」という体験談があるのは、制度が変わって間もないので税関や郵便の職員さんたちがよく分かっていなかったのかもしれませんね。
今は課税されずに済むと思います。
では、ヨーロッパでプレゼントを関税なしで送るコツを詳しく書いていきます。
コツ①:45ユーロ以下におさめよう
先ほども書いたように、総額が45ユーロ以下のプレゼントには関税がかかりません。
したがって、プレゼントを送るときの申告書には「45ユーロ以下の金額」を書けばいいわけです。
では、そのプレゼントの金額はどうやって計算するのでしょうか?
45ユーロ以下にするのは内容品の「内在価値」
「45ユーロ以下」にしなければならないのは、そのプレゼントを買ったときの値段(商品価値)ではありません。
ここでプレゼントの金額として計算するのは、そのプレゼントの「内在価値 valeur intrinsèque」といって、簡単にいえば「プレゼントそのモノ自体の価値」です。
たいていのモノは日によって安かったり高かったりしますが、そのモノ自体の価値は一定なはずですよね。
送り主は、この「内在価値」の金額を、プレゼントを発送するときの送り状に書くことになります。プレゼントが複数入っている場合、それぞれの内在価値の内訳と合計額の両方を申告します。
とはいっても、プレゼントの「それ自体の価値」はあまり厳密にはわかりません。
ですから、送り主は常識的な範囲で、ある程度自由にプレゼントの価格を申告できます。
言い換えれば、プレゼントの値段が45ユーロをすこし超えてしまっても、申告書には45ユーロより少し安い金額を書いていいわけです。プレゼントの額は自己申告です。
もちろん、あんまり安すぎる金額を書いてもいけません。
たとえば、 iPhone 13は909ユーロで販売されているけど価値は1ユーロだから免税してねと申告しても、あまりにウソなので課税されると思います。
送り主は常識的な範囲で45ユーロほどの価値のあるプレゼントを送れば課税されないわけですね。
ちなみにこの「内在価値 valeur intrinsèque」に送料は含まれません。
手紙も1ユーロ
ところで、プレゼントに簡単な手紙やメッセージカードを入れておきたいときもありますよね。すると、手紙そのものの価値とはいくらだと申告すればいいのでしょうか?
後ほど書きますが、国際便を送るときは、税関申告書に全ての内容品とその価値をしっかり記載しておいたほうが早く届く印象があります。
すると一応、手紙も申告書に書いておいたほうがいいわけです。
実は、税関の申告書の価値の欄には「0ユーロ」と書けません。
まったく価値のないモノもありえないですよね。
なので、申告書には手紙も1ユーロとか0,5ユーロの価値があると書くことになります。
「自分の書いた手紙にはお金で測れる価値がある……」と書くのは照れくさいかもしれませんが、なにかしらの金額は書くようにしましょう。
※日本郵便は、EMSなどの小包には信書(手紙)を入れてはいけないとしています。
なので、プレゼントに簡単な説明を添えて送りたいとき、申告書に「letter 手紙」と書いて発送しようとすると郵便局員さんに止められることがあります。
(そのままスルーされることもありますが)
こういうときは、申告書の「letter 」を「attached note on the content 添え状」などと書き直せば送らせてもらえました。
たばこ、アルコール、香水の場合は話が別
これまで、45ユーロ以下のプレゼントは課税されないと書いてきました。
が、たばこ、アルコール、香水は45ユーロ以下でも課税されることがあります。
たばこ、アルコール、香水に関わる関税ルールはややこしいので、ここでは触れません。
ヨーロッパへのプレゼントにたばこ、アルコール、香水は避けたほうが無難かもしれませんね。
コツ②:ギフトだとはっきり書こう
ここまで書いてきましたが、免税されるのは「総額45ユーロ以下の」「プレゼント」です。
プレセンドの総額が45ユーロ以下に収まったら、次はその荷物が間違いなく贈答品だとはっきりさせておきましょう。
大事なのは「これは商品じゃないし頼まれたものでもない」
まず、国際便の送り状には荷物種別の欄がありますから、「贈答品」にチェックを入れるのはマストです。
その上で、税関職員にもこの荷物がプレゼントだともっと分かりやすいようにします。
要は「これは商品じゃないし頼まれたものでもない」と繰り返し書くんです。
国際郵便の共通語、英語とフランス語での書き方を紹介します。
まず、送り状の余白に gift (英)、cadeau(仏)と書き足します。
さらに「商取引ではない」ということで not commercial(英)や envoi non commercial(仏)、
「代理購入でもない」、つまり受取人から頼まれた買い物ではないということで unsolicited gift(英)
と追加すると隙がありません。
プレゼントかどうかは課税の有無を決める大事なファクターです。アピールしておくに越したことはありません。
総額45ユーロ以下のプレゼントだとはっきりさせる。
これが、ヨーロッパへ送るプレゼントを免税する基本のやり方です。
ここからは、関税がかかるリスクをさらに小さくする追加のワザを解説していきます。
コツ③:「Facture proforma」を添えよう
上で書いたように、プレゼントが免税される条件は内容品の総額が45ユーロ以下であることと間違いなくプレゼントであって商取引ではないということでした。
なので、その2つを証明するために、送り状よりもさらに詳しい明細書を作って荷物につければ、プレゼントに関税がかけられるリスクはさらに小さくできます。
そこで使うのが facture proforma (仏)、 proforma invoice (英)という書類です。
= 商取引ではない荷物用の明細書
Facture proforma とは、荷物を海外へ送るときに送り主が受取人に対して発行する明細で、荷物の中身が商品ではないときにも使えます。
ふらごがくが日本からフランスへプレゼントを送った時には、facture proforma を自作して ①自分と相手の住所、②荷物の種別(贈答品)、③各内容品の名称、④それぞれの金額、⑤荷物の合計額 を英語とフランス語の両方で書きました。
作ったfacture proforma は、印刷して郵便局に持って行けば、郵便局員さんがパウチに入れて送り状と一緒に荷物に貼ってくれます。
「Facture proforma」はネットでダウンロードできる
Facture proforma のフォーマットはインターネット上にたくさんアップされています。
自分に合ったフォーマットの facture proforma をダウンロードして使いましょう。
おすすめはA4サイズで余白が多いフォーマットです。
(余白にgiftや envoi non commercialと書いてたくさんアピールできます)
できれば宛先の国の言語で書こう
国際郵便の送り状は英語で書くのが一般的ですが、facture proforma はできれば宛先の国の言語で書いておくと便利です。
宛先の国の税関の職員の全員が英語をすらすら読めるとは限りません。
通常の送り状とは別に、相手国の言語で書いたfacture proforma をつけておくとプレゼントがスムーズに届く印象があります。
コツ④:荷物の内容は正直に・詳しく申告しよう
通関の基本は税関職員に荷物の性質、内容、安全性を信用してもらうことです。
荷物の内容物は正直に、詳しく申告しましょう。
例えば餅を送るときは「food」より「rice cake」と書いたほうが分かりやすいですよね。
不審物だと思われなければスムーズに届く
税関の職員も、通関手続きに時間をかけたいわけじゃありません。できればサッサと仕事を終えたいわけです。
でも、送り状から荷物の内容がはっきり分からないなら、職員は荷物を開けて、中を確かめ、税額を計算しなおさなければなりません。
開封検査をされると通関に時間がかかりますし、何より荷物が傷みます。
税関職員が「この送り主は非課税条件をしっかり理解して、誠実に内容品を申告しているんだな、わざわざ税額を再度計算して課税しなくても非課税で通しちゃってよさそうだな」と思うような、分かりやすい送り状とfacture proforma を作れば、なるべく関税をかけられないようにできるのではと思います。
現在は通関手続きの電子化が進んでいて、紙の書類はだんだんいらなくなっていきそうです。
(日本郵便では「国際郵便マイページサービス」というサイトでの手続きが必須になりました)
ですが今のところ、ふらごがくの経験ではfacture proforma をつけたほうが配達が早かったです。
以上が、日本からヨーロッパへプレゼントを送るときに関税がかからないようにするやり方です。
結論:それでも関税がかかったら受取人にごめんねをしよう
結論として、ヨーロッパ宛のプレゼントが課税されないようにはできます。
法律では、プレゼントは45ユーロ以下で、たばこ、アルコール、香水を含まず、商取引ではないと分かるように内容物を正直に申告すれば課税されません。
これまで、この記事に書いたようにしてきて、プレゼントに課税されたことはないです。
免税のコツを最大限に活用してみてください。
ただし、それでも何かの間違いや、送り先の運送会社の都合によっては何らかの追加料金がかかってくるかもしれません。
そのときは、送り先としても最大限努力したのだから、受取人に謝るしかないかと思います。
PayPalなどを使って、相手が払ってしまった金額を後から送金できるようにしておくと安心かもしれませんね。
これが、ヨーロッパ圏へ関税をかけずにプレゼントを送るやり方です。
この記事で、少しでもヨーロッパの家族や友達にプレゼントを送りやすくなってくれると嬉しいです。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
それではまた。A bientôt !
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